気づきの日記「問題や怖れから解放されるためには? 〜モグラ叩きゲームをやめる〜」

問題というものは、ひとつが落着すると、ほどなく別のものが姿をあらわします。

健康は回復したけど、仕事がね・・・仕事はどうにかなったけれど、今度は対人関係がね・・・というように、手を変え品をかえ、問題は姿をあらわしつづけるのです。

まるでモグラたたきゲームのように、こちらは引っこんだかと思えば、あちらに姿をあらわし・・・人生がゲームオーバーになるまで奮闘がつづきます。

それは、根っこの除去を怠った雑草のように、次から次へと生えつづけることを止められないのです。

つまり、根っこにあたるほんとうの原因たるものが除去されていないので、問題は生息しつづけることが可能になっているのです。

では、私たちの問題の原因となるものとは、いったい何でしょうか?

私たちのこころのなかには、いつも重苦しい気持ちを抱えている自我という存在がいすわっています。

自我は誰のこころのなかにも存在するもので、その重苦しさをはっきりと自覚している場合もあれば、無意識のうちに注意をそらせて平静を装っている場合もあります。

自我の想いはいつも、「足りない」「十分ではない」「満足できない」「価値がない」「ダメだ」・・・だから、「自分にはきっと恐ろしいことが起こるに違いない」というものです。

そして、その想いを感じながら生きることはとても苦しいので、なんとかその想いをこころのなかから一掃してしまおうと企てます。

それが、自分以外の人、あるいは物事に、自分の重苦しい気持ちの責任を負わせようとすることです。「あなたのせいで、このことのせいで、私はこんなに苦しんでいます、イヤな気持ちになっています」と、自分の重苦しい気持ちの原因を人や物事のせいにして、自分はちゃっかりと被害者になろうとします。

そうすれば、「あの人、あのことのせいで、私は不幸せなのだ」と、自分の苦しさの責任を逃れて、まさに自分は正しい人のように感じられるからです。

しかし、このような試みは何も解決することができません。

自分のなかの重苦しい気持ちは和らぐどころか、むしろ増してゆくのです。なぜなら、こころは自分が責任逃れをして、人のせいにし、責めたことを知っているので、そんな自分自身を罰するようになるからです。

責任を転嫁することは、自分で自分を煙に巻こうとすることであり、自分自身でさえも問題の原因が何だったかわからなくなってしまうので、解決を困難にしてしまうのです。

問題は、「どこに原因があるのか」を明確し、「原因に直接アプローチする」ことでしか解決されません。

そして、問題の原因は、たったひとつのところにしかありません。それは、自分のこころのなかです。

何が目のまえで起こっていようとも、「自分」が見て、「自分」が感じているので、その自分の知覚を正すことでしか変化は訪れないのです。

思い出さなければならないのは、私たちは宇宙とひとつであり、宇宙の法そのものである愛ともひとつであり、それだけが存在しているということです。

その「愛」である自分は、まさに愛を目にし、体験することができるはずです。

もし愛ではなく、足りなさや、不十分さや、価値のなさや、怖れが見えるならば、「こころがズレてしまって自分ではないものになっているので、こころを訂正しましょう」というサインなのです。

「愛」以外には存在しえない宇宙において、それ以外はただ却下すべきものなのです。

足りなさや、不十分さや、価値のなさや、怖れを感じるならば、ただ自分が「自分の本性である愛」からズレてしまっていることに気づき、静かに訂正するだけでよいのです。

訂正するためには、まさに自分自身の正気の自己であるハイヤーセルフにお願いするだけです。「足りなさや、不十分さや、価値のなさや、怖れは、ほんとうの自分の思いではありません。こころか取り除いてください。私を本来の愛に戻してください」と助けを求めましょう。

必要なのは、こころの不具合に正直に気づき、訂正しようとする意思をもつだけです。

そうすれば、こころは正気である愛へとすぐさま戻されます。

こころはいつも、自分のなかにあるものとまったく同じものを世界に見ようとします。それが「愛」であろうと、「怖れ」であろうと、まったく同じものを世界に見ることができるのです。

自分のこころのなかで、自分自身の正気である愛が目覚めれば、いつでも愛のある平和な世界、自分に優しい世界、問題のない世界を見ることができるし、体験することができるのです。

こころの不具合を放置することは、問題の原因を温存しつづけることです。

いつでも自分のこころを愛に戻すことができます。そのようにして問題の原因を手放すことができるし、また幸せに生きることができるようになるということを覚えておきましょう。



「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子 / ヒプノセラピーカウンセリングリコネクション



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