気づきの日記「怒りや不安を感じても大丈夫! ~それは消え去るためのもの~」

霊的に成長すると、怒りや不安などのネガティブな感情をもたなくなるのではないか、つまり「怒らなくなるのではないか?」「不安を感じなくなるのではないか?」と信じられていたりします。

もちろん理解が深まった結果として、怒りや不安の感情は起こりにくくなることはありえます。しかし、「怒ることなどないいい人であるべきだ」「不安など感じるべきではない」という考えは本当のことではなく、もしもそのように信じてしまえば自分に余計な苦しみを与えかねません。

なぜなら、さまざまな感情は自分とはまったく関係がなく、どんなときにでも自動的ににランダムに湧きあがってくるものだからです。

どのような感情であろうとこころのなかに勝手に現れてくるものであって、私たちはそれに対して何らコントロールすることができません。

「怒るべきではない」「不安に感じてはいけない」という考えをもってしまうと、怒りや不安が自然に湧きあがってきている事実に対して、自分は未熟であるという恥ずかしさや、自制がきいていないという自責の念などの失敗感を強めてしまいます。そしてそれが、「自分はダメなんだ!」とう罪悪感へとつながってしまうのです。

その結果、怒りや不安の感情に遭遇するたびに、それに抵抗し、何とか無きものにしようと頑張ってしまうことになりかねません。

それらの感情はそのままにしておけば去ってゆくものなのですが、それらを箱の中に詰めこんでどこかにしまいこむようなことが起こってしまいます。箱のなかに閉じ込められた感情はいったんは意識からは消え去りますが、いつか箱を破壊し、ふたたび姿を現すことになってしまいます。

そのように抑圧することが多ければ多いほど、同じ感情を何度も繰りかえすことになり、繰りかえすたびに大きなダメージを受けてしまうのです。

さきほどもふれたように、怒りや不安などのさまざまな感情はただやってきます。

それは自分が気づく音や匂いなどと同じようなもので、ただどこからともなくやってきてただ消えてゆくだけのものなのです。

やってきたものに対して何ら特別性を与えないことで、そのまま行かせてあげることができるのです

しかし、いったん「こんな感情はごめんだ!」とか、「これは私が感じたいものではない!」と拒絶したり否定してしまったりすると、それと闘うはめになってしまいます。

外から聞こえてくる音にしても、「こんな音はごめんだ!」「絶対あるべきではない!」と思えば思うほどどんどん気になってしまい、ついにはその音にこころを占領され支配されてしまうことが起こります。

もしも、拒絶したり抑圧したりせずに「こうであってもかまわない」とただ自然に受け入れさえすれば、それはそのまま意識から消え去ってゆくことができるでしょう。

このようにして感情を受け入れるということは、ただその存在自体を赦してあげるということです。そして、それを感じられるままに感じてあげるということです。

受け入れられ、感じられた感情は、そこに長居することはできません。それはただ消え去ってゆく運命にあるのです。

霊的に成長するということは、「ネガティブな感情を一切感じない人になる」とか、「いつもいい人であるべきだ」というのはたんなる誤解にすぎません。

真に理解が深まるというのは、感情は自分のなかを通りすぎてゆく一過性のものであることを理解し、それゆえにあるがままの感情を怖れることなく感じて通過させ、通過させることができるからこそ自分は影響を受けない、巻き込まれることがないということなのです。

私たちはしばしば自分のなかに湧いてくるネガティブな感情に怖れを抱くあまりに、「どのような感情が湧いてきているのか」にさえも気づくことを避けてしまっている場合があります。

これも感情の拒絶の一形態なので、まずは自分のなかにどのような感情が湧きあがってきているのかに敏感になる必要があります。

そうすることで、気づかないうちに感情を押しこめることで「大丈夫!なにも感じていないから」と平気な顔をし、そのせいで気分が重くなったり、体調が悪くなったりするという悪循環に気づき、そこから抜け出すことができるようになります。

大切なことは、感情とは音や匂いと同様にただ自分のなかを通過してゆくものであって、「私のもの」でもなければ悪いものでもない、つまりさほどシリアスなものではないことを理解しましょう。

そして、それらを怖れたり、拒絶したりすることなく、感じられるままに感じて、そして消えてゆくままに消え去らせてあげましょう。

無意識のうちにネガティブな感情を避けていることに気づくことで、より自分のなかの感情の流れがよくなります。

そして、どのような感情でも受け入れることができるどっしりとした安定感のあるスペースのような自分自身を感じることができるようになることでしょう。

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