お茶の間シネマトーク「DOGMAN ドッグマン」

久しぶりにリュック・ベッソン監督の作品を観ました。

「レオン」は血生臭いストーリーではあるものの、こころ奪われる印象深い作品ですよね。

この「DOGMAN」も、かたときも目を離すことができない緊迫の面白さで、最後は固まって動けなくなってしまいました(・・・が、プライムビデオのエンドロールは短かすぎて、余韻もひったくれもありません・汗)。

残酷で悲しいストーリーではありますが、でも愛を感じる作品でもあります(「レオン」もそうですよね)。

前日に「ラ・ラ・ランド」のデミアン・チャゼル監督の「バビロン」を観たのですが、

冒頭から象さんの衝撃的なシーンに思いきりのけぞり、それにつづくセレブたちの倒錯したパーティーの数々に口がアングリふさがらず、さらにマーゴット・ロビーの3時間を通しての体をはった演技にあっぱれ!・・・こちらもめちゃくちゃ刺激的な作品だったので、二日連続の衝撃ナイトとなりました。

さて、「DOGMAN」は傷だらけの女装をした男のトラックが警察官に止められるところから物語がスタートします。警察官が荷台を調べると、おびただしい数の犬たちが・・・。

勾留された彼が語った半生とは・・・

父親からの虐待によって犬たちのケージに監禁されてしまった少年ダグラス。

父親から発砲され、あわや命を落としそうになる寸前に奇跡的にケージから救い出されます。しかし、すでにダグラスの身体は脊髄が損傷しており車椅子での生活をしいられます。

そこから彼の犬とともに生きる数奇な人生がスタートするのです。(→予告をみる

こころ優しく、聡明でもある少年が、なぜこのような人生を歩まなければならなくなったのか・・・胸が痛むものの、彼のあまりに潔い生き方に目をみはります。

無抵抗に十字架にはりつけになるキリストのようなダグラスと、それを静かに見守る犬たちはまるで彼の使徒や信者のように見えました。

このダグラス役の俳優さん、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズは以前にも観たことがありましたが、この作品では彼の醸し出す存在感、目線の鋭さ、迫力がハンパないものがあります。

とくに、彼がドラッグクイーンとして、まったく期待もされずに初舞台を踏むシーン。

ふだんは車椅子の彼にとって、立っていることさえ難しい足で舞台であがり、エディット・ピアフを堂々と歌いあげます。圧巻の演技で、涙が止まらなくなりました。(→こちらから

そしてわんちゃんたちの演技も、すべてを把握してるような表情でかなりの役者ぶりでした。

胸が痛いけれど、また観たいと思う作品となりました。



「お茶の間シネマトーク」バックナンバーはこちら: 古川 貴子 / ヒプノセラピーカウンセリングリコネクション

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