お茶の間シネマトーク「あなたに降る夢」
ニコラス・ケイジとジェーン・フォンダ、とっても1990年代っぽい顔ぶれです。
この頃は、こころがなごむハートウォーミング系の作品が多かったように感じます。こちらもそんな一本。しかも、実話がもとになっています。
幸せになる、豊かになる、愛を体験するために、私たちは日々メッチャ頑張っているわけですが、このストーリーのなかには、まったく真逆な生き方をする二人が描かれています。
欲しいものはガシガシ取りに行き、手にしたものはがっちりと握りしめ放さず、それを倍増させるためだったら策を選ばない人物。
もう一方は、やってくるものは分かち合い、みんなで楽しみ、人々が喜ぶ顔を見るためには出し惜しみをしない人物。
この物語は、高額宝くじに当選した夫婦を描いています。
夫のチャーリーは、優しく親切で誠実、そしてちょっと不器用。でも、誰からも愛される人物です。
そんな彼が、コーヒーショップでウェイトレスに払うためのチップがなく、「もし、この宝くじが当たったら、チップとして半分を君にあげる」と約束します。
すると、ナント宝くじは高額当選(数億円)をはたし、実直なチャーリーは当然のことのようにそのウェイトレスに半分を差し出そうとするのです。
けれども・・・宝くじを買うようにと指示した妻はチャーリーのこの行動に激怒。
この宝くじ当選は、夫婦とウェイトレスとを巻き込んんで、彼らの人生を激変させてしまう大騒動へと発展します。さて、ことの顛末は・・・。(→予告をみる)。
私たちはこころのどこかでは、宇宙のすべてを司っている幸せの法則に気づいていると思うのです。
しかし、大金や思わぬ大きな利益を目のまえにしたとき、自我の法則がむくむくとアタマをもたげ、やすやすとその法則に服従しかねません。
自我の法則は、一見とてもうまくいっていて自分を肥やしてくれるように見えるのですが、それが長続きしないところこそが自我の法則なのです。
あっというまにボロがではじめ、もとのもくあみに帰すということが起こります。
まさにここで描かれていることは、「わかっちゃいるけれど、いざとなったらそんな勇気もないし、とても信じきれない」と感じてしまうことなのです。
でも、これこそがものごとの根底にひっそりと隠れている幸せの法則そのものなのでしょう。