気づきの日記「こころが干からびてしまったら 〜自分で自分におもてなし〜」

写真に写っている自分を見て、違和感を感じたことがありませんか?

「あれ?もっと細っそりしていたはずなのに」とか、「なんかゲッソリして見えるな〜」とか。

自分の姿は鏡で毎日確認しているはずなのに、あらためて写真で見ると「こんなはずでは・・・」と感じてしまったりします。

私たちの目はつねに外に向いているので、人の変化は見逃さないものです。しかし、自分自身については、なかなか気づくことができません。

それは外見のことに限ったことではありません。

自分の内面の状態についても、自分のこころが元気なのか、それともストレスをためこんでいるのか、じつはよくわかっていないのです。

もし体重が一日にわずか50グラム増えたとしても、二ヶ月もたてば3キロも太ってしまいます。日々のわずかな違いが、赤ちゃんひとり分の増加につながるのです。

同じように、一日に少しばかりの不平不満、怒り、罪悪感をためつづけると、こころもドヨヨンと重たくなってしまいます。

たとえば、肝硬変の患者さんは、なかなか病状に気づくことができないといいます。

初期症状がないまま状態が悪化してしまうため、いつのまにか肝臓がカチカチになったところで、ようやく異変に気づくのです。

こころも同様です。

不平不満、怒り、罪悪感を少しづつでもためこむことで、徐々にこころが硬くなり、しまいには「やる気が出ない」「何をしても楽しくない」「何も感じない」といったこころの機能不全におちいってしまうのです。

こころが動かなくなるまで、「何かおかしい」という感覚をもつことができません。

しかし気づいたときには、こころはすでに干しシイタケのようにカチカチになってしまっているのです。

どんな刺激を与えても、こころは何の反応も示すことができなくなります。まさに、干からびてしまっているのです。

こころが干しシイタケになってしまう前兆として、こんな感覚を感じているかもしれません。

「最近、ささいなことでイライラするな〜」とか、
「声をあげて笑っていないな〜」」とか、
「ため息ばかりついているな〜」とか、
「人と口をきくのがおっくうだな〜」とか、
「朝、目が覚めても布団から出たくないな〜」とか、
「身だしなみについて考えるのが億劫だな〜」とか、
「ひとりで部屋にいると孤独なのに、人と会うのが面倒だな〜」とか、

とにかく、反応がうすくなり、ただ空虚な感じがします。

このようなこころが発するサインを見逃さないことです。

もし誰かがこのような状態だったら、すぐに「大丈夫?」と気遣ってあげることでしょう。しかし、自分のこととなるとわからないのです。

それは体重50グラムの違いと同じで、ほっておくうちにこころはだんだん身動きがとれなくなってしまうのです。

もしもこころが干しシイタケになる兆候を感じたら、あるいはすでに干しシイタケになっていると感じたら、自分で自分をケアしてあげることが大切です。

それは、自分自身が自分のお母さんのようになって、思いやりのある声かけと、優しい気遣いを自分にしてあげることです。

「きょうは頑張ったね!何かご褒美でも買って帰ろうか?」とか、
「今週は忙しかったね。週末はゆったりくつろいで、好きなことをしようか」とか、
「疲れているでしょう?早く寝てしまいなさい」などなど・・・

自分がお母さんになった気分で自分を思いやり、優しい声かけをしてあげましょう。

すると、「けっこうシンドかったんだ」とあらためて気づくかもしれません。

誰かからの気遣いや思いやりを待っていても、それは思うようにはやってきません。

それならば、自分で自分を思いきりねぎらってあげましょう。甘やかして、おもてなししてあげましょう。

そして、干しシイタケをゆっくり水で戻すように、こころもあわてず、せかさず、ゆっくりと優しく接してあげることが大切です。

干しシイタケのようになったこころの戻し方は、

⭐︎自分にダメ出しをしないこと
「早くしっかりしなくちゃ」とか「こんなことじゃダメ」とか、自分を責めることをやめましょう。

⭐︎どのような思いも、いったん受け入れてあげること
「そっか〜、そんなふうに感じていたんだ」と自分の思いを丸ごと受けとめてあげましょう。

⭐︎こころの叫びに耳をすませること
「ほんとうは、どうしたいの?」と、こころの底にある本音に耳を傾けてあげましょう。

そして、「それで大丈夫」「何も間違っていないから」と自分を全肯定しながら、自分のこころが安心できるように、自分らしくくつろげるように、優しくリラックスさせてあげましょう。

こころが干しシイタケになってしまう最大の原因は、じつは自分に対する自分からのダメ出しです。

「こんなことじゃダメじゃないか」「この先、どうなっちゃうんだ」「しっかりしろ!」と、他でもない自分が自分を追い詰めてしまっていたのです。

自分に全面的にOKを出しながら、優しく受けとめて、こころがのびのびできるように、やさしいお母さんになって思いきり甘やかしてあげましょう。





「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子 / ヒプノセラピーカウンセリングリコネクション

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