お茶の間シネマトーク「LAMB ラム」

アイスランドの荒涼とした土地で羊飼いとして生活する夫婦。

羊の出産の手助けは日常なのですが、ある日、羊の一頭から羊ではない「何か」が生まれてきます。

彼らはその「何か」にじっと固唾を呑むものの、大切に家へ連れて帰り、幼くして亡くなった娘と同じアダという名前をつけて育てはじめるのです。(→予告をみる

この作品で、むかし観たチェコの映画、シュヴァンクマイエル監督の「オテサーネク」を思い出しました。

オテサーネクでは、子宝に恵まれない夫婦がひょんなことからこどもの形をした切り株を我が家に持って帰ることからお話しがはじまります。

その切り株にオティークという名前をつけて、いつか生まれてくる我が子のために用意しておいたおくるみを着せ、かいがいしく世話をはじめるというお話です(チェコにこのような切り株を我が子のように育てる民話があるようです)。

ベビーベッドに寝かしつけ、乳母車でお散歩をし、可愛がっているうちに切り株はみるみる巨大化し、凶暴になり、しまいには飼い猫も、郵便配達人も、管理人さんも、次々みんな食べちゃいます。

オティークのお食事場面が、なかなかの残虐さで目を覆いたくなるホラー作品です。

あるときYouTubeに全編がアップされているのを見つけ、お友だちに紹介しつつも、「結構すごいから、全部観ないほうがいいかも」とお話ししておいたのですが、お友だちはあっというまに鑑賞し、けっこうお気に入りのご様子でした(笑)。

この「LAMB」はそこまでベタなホラーではありませんのでご安心を。

私もこの夫婦同様、子羊のアダちゃんがかなりお気に入りです。羊ちゃんなのに、ウールのセーターなんか着ちゃったりして、モフモフでめっちゃめんこいです♡ 

この夫婦もアダちゃんと一緒に飛んだり跳ねたりして、「これが幸せというものさ!」とご満悦。

さてさて、アダちゃんと夫婦の行く末はいかに?!・・・(汗)🐏🐏🐏

エンディングを観ながら、すぐに私なりの続編がアタマに浮かんでしまいました(笑)。

これがハリウッドとかメジャーな作品だったら、まったく別ものになっていたと感じます。

北欧の監督さんのインディーズ作品だからこそ、こんなことがどこかで「ありうるかもしれない・・・?!」なんていう気持ちにさせられるのでした。



「お茶の間シネマトーク」バックナンバーはこちら: 古川 貴子 / ヒプノセラピーカウンセリングリコネクション

関連記事一覧