気づきの日記「人間関係がうまくいかない? 〜幸せになる力はあなた自身のなかに〜」

人間関係が悪化したり、破綻したりする原因とは何でしょうか?

それは、「怒り」です。

相手が「自分が望む役割りをちゃんと果たしてくれない」「私の期待にそぐわない」、だから「私は裏切られたように感じる」という怒りです。

私の満足、私の期待がくじかれた、と腹を立てているのです。

しかし、どういう関係であっても、相手は自分の役割や期待に応えるために存在しているわけではないので、思いどおりにコントロールすることはできません。また、自分も相手の期待に応えるために存在したくはないはずです。

相手に対して腹が立つのであれば、それは自分が勝手に押しつけた「こういう人であるべき」、「こうしてくれるべき」という相手像があるからです。

しかし、相手像と本人は決して噛み合うことがありません。

そもそも、自分が作った鋳型にはまる相手など存在していないからです(どこかひとつがはまっているように見えると、全部がはまっていると勘違いします)。

腹を立てられたご本人にしてみれば、「それはあなたのでっちあげの私像で、ほんとうの私とは関係ありません。私は私にしかなれないのです」ということです。

「親なんだから、こうすべき」「夫婦だったら、こうで当然」「親友とは、こうあるべき」・・・そのような決めつけがあればあるほど、関係は死んだようになってしまいます。なぜなら、相手はただの役割を果たす存在で、その人のイキイキとしたいのちが感じられなってしまうからです。

また、ルールを作れば作るほど、相手も自分自身もがんじがらめになって息苦しくなってしまいます。

役割を押しつけたり、勝手なイメージを期待するとき、それは相手と関係を結ぶことより、むしろ便利なお道具として扱っているにすぎません。

私を安心させ、私がもっと幸せを感じられ、私を喜ばせてくれる・・・そんな便利なお道具。

お道具は期待したような結果が得られないと、叱責され、結局はお払いばことなります。

「どうしてあなたはそうなのよ!」と、相手を自分の思うような人にしようと闘うか、「もうあなたはクビです。私は他のお道具をあたります」と、さっさと立ち去るか。

しかし、どちらも結果的には幸せにはなれません。

いくら腹を立てて自分の思うようにしようと闘っても、自分の思いどおりに変わることはなく、イライラと挫折感がつきまといます。(一時的には変わったように見えるかもしれませんが、相手も本来の自分ではないので怒りを募らせて、今度は立場が逆転してしまいます)。

そして、、「もういいです!」と立ち去っても、怒りの原因は「相手こそが私を幸せにすべき」という自分の間違ったものの見方にあるので、また別のかたちで同じような問題に直面することになります。

そうならないためにも、相手に文句を言い、相手を変えようとする闘いはやめましょう。

それは不毛な闘いであり、また闘いの気持ちは自分のこころに毒をもっている状態になるからです。

そもそも、関係のなかで得ようとした安心も、幸せも、喜びも、楽しさも、自分以外からはやって来ません。

外からやってくると期待したとたん、私たちは自分のパワーを失い無力になってしまいます。幸せを生み出す源は自分ではなく、他者となってしまうからです。

相手をお道具にして何かを得ようと頑張るよりも、自分が求めているもの(安らぎや幸せ、喜び、楽しさ)を、「私がこころのちからで見られるように」と自分のこころを改めることをしてみましょう。

私たちには「自分が決めたものを目にする」という、偉大なこころのちからがあります。

外側へ向かって闘いを挑みながら欲しいものを手にしようと頑張るよりも、本来自分に備わっている「自分が見たいものを見る」「経験したいものを経験する」という、こころのちからを発揮することです。

「私は自分の幸せを他人に期待して、それが裏切られる失望感を味わってきたけれど、それは自分を見失っていたからです。私は自分で自分の望む状態を作り出す、こころのちからをもっています。それこそを使いたい」とこころを決め直してみましょう。

自分の高い自己であるハイヤーセルフに、「私が見たいのは今のほうな状況ではありません。私がほんとうの自分として、幸せを感じることができるように助けてください」と助けを求めてみましょう。必ずその答えは目のまえに現れます。

そして、闘いを挑んできた相手を解放してあげましょう。本来のその人を生きられるように、赦してあげましょう。

相手を自分の役割やニーズから解放してあげると、今まで膠着状態のように感じられていた相手とのあいだにあった問題が、不思議と解決の方向へと向かいはじめるかもしれません。

相手に役割を押しつけたり、期待をしないとき、それを裏切られるという怒りはわいてきません。怒りがなければ、すべてはスムーズに流れはじめます。

勝手な期待による怒りは、相手との関係を破壊するだけでなく、じつは人生の流れから自分を切り離してしまい、うまくいかない苦しい状況へと自分を陥れてしまっていたのです。

そうならなたいためにも、相手を、そして自分自身を、役割や期待から解放して自由にしてあげましょう。



「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子 / ヒプノセラピーカウンセリングリコネクション

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